前回ギリギリまで出馬表明せず、「後出しジャンケン」と揶揄された石原知事は2期目の進退表明も延ばしに延ばす戦法を取った。従来、歴代都知事は出処進退を早い段階で示しており、これは異例のこと。ようやく2003年1月30日、告示のわずか20日前である議会の最終日(3月7日)に進退表明することを明らかにした。
■定例都議会、2003年2月12日代表質問後
「最低でも2期8年務めなければ十分な成果を残せないというのがほとんどの人の共通した意見」と答えた石原知事は答弁の後、記者団に「出馬表明と受け止めていいのか」と問われ、「(私が出馬表明)したの?」と声を荒げ、立ち去った。
■『後出し』戦術
明言はしない一方で、「(植えてきた)政策の苗を見届けるのは私の責任だ」(2002年12月の都議会)、「政策の準備はしてますよ。ここで言ったっていいんだけどさ」(2003年3月2日、民放のテレビ番組)など、思わせぶりな発言を繰り返していた。また出馬表明前から、東京・市ケ谷の防衛庁前に選挙事務所用地を確保し、ポスター撮影や選挙カーの手配も済ませるなど着々と選挙態勢を整えていた。
■議会の反応
来年度予算案が提出され、2003年2月5日に開会した都議会では、「予算案を出すならば、2期目もやると表明するのが筋」との声が挙がっていた。共産党の木村陽治幹事長は「現職としてまじめな態度ではない。次に出るか出ないかは議会審議に有形無形の影響を与える問題であり、冒頭で表明すべきだ」と批判。与党的立場として石原知事支持の自民や公明の会派内からも、「議会で巨額の予算を審議するのに、提案者の知事が進退をあいまいにしているのはおかしい」「予算の実質的な審議が始まる前に表明するのが「礼儀」」などの声が聞かれた。
■進退表明、だが・・
3月7日の記者会見で2期目を4年間全うするか問われ、
「そんなこと分からない。死ぬかもしれないだろ。何が起こるか知らないし。嫌になってやめるかもしれない。そのつもりはないが」
そのつもりはないと言いながらも「当選したら4年間任期を全うする」とは明言しなかった。
都議会各会派は「再選されても、衆院が解散すれば国政を目指すだろう」と見ている。
■やはり・・
石原知事は都議会本会議終了後、各会派を回って挨拶。55人が総出で出迎えた自民党会派で石原知事は
「ずっと前から(再選出馬を)決めてたんだ。初志貫徹してやります」
とあいさつした
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